『星空へ!』(12.秋の星空)
秋の深まりを感じる頃となりました。少しずつ日が短くなり、あんなに賑やかだった虫たちの声もかぼそくなってきたようです。長雨が降り続き星空が恋しくなっていますが、雲が邪魔をしてなかなか見ることができません。でも雨のあとの星空は空気中のホコリを流してくれるので、澄み切ってきれいな星空になります。少し待つことにしましょう。
©多摩六都科学館
秋の星座は他の季節の星座に比べて、とても寂しい星空です。なぜなら、全天で21個ある一番明るい一等星たちですが、冬の空には7個もあるのに秋の星空ではただ1個だけ(南の魚座
のフォーマルハウト)なのです。
でも、がっかりしないでください。秋の星空には「古代エチオピアの王家物語」という、とてもおもしろいお話があるのです。
「ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ」より
さてそのお話ですが、ヒローインは美しい王女「アンドロメダ姫」です。エチオピアの王「ケフェウス」とその王妃「カシオペア」にとって、アンドロメダ姫は自慢の娘であり、母のカシオペア王妃はその美しさを機会あるごとに自慢していました。
ある時、その自慢が行き過ぎ「海の妖精たちよりも美しい。」と口をすべらせてしまったものだからたいへん、海神ポセイドンの怒りに触れてしまったのです。ポセイドンはエチオピアの海へ巨大な「化けクジラ」を送ったのでした。それからというもの、エチオピアの海は毎日大荒れで、多くの国民が化けクジラの犠牲になったのでした。
そこで、王のケフェウスは困り果てて、神託をうかがうことにしました。その神託はなんと「アンドロメダ姫を海の大岩に鎖でつなぎ、化けクジラの生け贄にせよ。」とのことでした。王と王妃は「そんなことは、絶対できない。」とたいへん悲しんだのですが、アンドロメダ姫は自から進んで生け贄となるため大岩に鎖でつながれるのでした。
そこへ颯爽と登場するのが、英雄「ペルセウス」。退治したばかりの怪女メドッサ(見ると石になる)の首を片手に、天馬「ペガサス」に乗って登場するのでした。
ヒーローはいつもいいところでやって来て、おいしいところを持って行くのですよね。この話の続きは、またどこかでしましょう。
「ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ」より
ということで、ここで登場する「ケフェウス王」「カシオペア王妃」「アンドロメダ姫」「勇者ペルセウス」「天馬ペガサス」「化けクジラ」これら六つの星座がアンドロメダ座を中心に『秋の星空』に勢ぞろいするのでした。
コメント
また夜空の星を見ていいですね。