『星空へ!』(10.中秋の明月と木星、土星)




野原のススキが背を伸ばし、今年もいよいよ「中秋の名月」を迎える頃となりました。私たちのご先祖さまは、月の表情からウサギを読み取り、月の世界に想像をめぐらしていました。竹取物語では光り輝くほどの美しい女性「かぐや姫」が求婚する諸々の男性を横目に月の都へ帰っていく悲しい話が、豊かな情景のもと多くの人に伝えられました。その想像力の深さに感心させられます。

ちなみに2022年、今年の「中秋の名月」は例年より早い9月10日(土)。もう間もなくですね。

秋の名月」? それとも「秋の名月」?

「初秋(七月)」「仲秋(八月)」「晩秋(九月)」なので、「仲秋の名月」と言うと「八月の名月」となって、八月のお月様はみんな名月となりそうです。一方、「中秋」は「秋の真ん中の日」、つまり「七~九月」の真ん中で「八月十五日」と言うことで、正解は皆さんの予想どおり「中秋の名月」になります(いずれも旧暦でのお話です)。


次の図は「中秋の名月」の日の星空です(19時30分頃の東の空)。東の空から大きなお月様が顔を出してます。晴れるといいですね。

           「ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ」

さて、満月が東の空から姿を現した後、とても明るい(-2.9等星)が月に続いて姿を現します。全天の恒星(自ら光り輝く太陽のような星)で一番明るい「おおいぬ座のシリウス」(-1.46等星)よりもはるかに明るい星です。つまりこれは恒星ではありません。と言うことは‥‥‥、そうです私たち地球の兄弟惑星「木星」でした。太陽になれなかった巨大ガス惑星で、なんと衛星を79個も持っているそうですよ。

上の星図で黄色い線は太陽の通り道「黄道(こうどう)」です。細い白い線は月の通り道「白道(はくどう)」です。太陽と月の通り道は同じようで、微妙に違うのですね。尚、太陽系内の惑星たちは、この黄道・白道に沿って運動するので、見つける時に便利です。

おっと待ってください。もう一つ忘れてはいけません。そうそう「土星」です。月よりも早く上っていました。腕を伸ばして握り拳一個が約10度です。土星は月より約20度先に進んでいるので、握り拳2個黄道に沿って進めてください。南東の空に見えるちょっと明るい星が土星です。天体望遠鏡で見ると、とっても小さいのですがしっかりとしたを持っていて、見る度に感動してしまいます。

これからの秋の夜長、にぎやかな虫たちの声を聞きながら、毎夜、形を変えていくお月様や変わりゆく季節の星空を眺めるのも一興かもしれません。

コメント

kumanotosetatwo さんの投稿…
コラムを読んでいたら荒木一郎「空に星があるように)の歌詞が浮かんできました。
空に星があるように
浜辺に砂があるように
ボクの心にたった一つの
小さな夢がありました
1966年に流行りました。
P2しょすた さんの投稿…
コメント、たいへんありがとうございました。気付くのが遅くなり、たいへん失礼しました。

早速You Tubeで「空に星があるように」を聞いてみました。かすかに聞いたことがあるようなないような。でも、「荒木一郎」という名前は覚えていますよ。

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